近年、発達障害を有する軽度三角頭蓋の子どもに対する外科手術が注目されています。その適応に関しては(発達障害の改善を目的とするといった)誤った情報も流されています。しかしこの手術にはきわめて重大な問題が多々指摘されており、医師・患者・家族から学会へ疑義や問い合わせが寄せられています。ここに日本児童青年精神医学会理事会として現時点での見解を記します。
記
- 従来、発達障害に対する本術式の有効性は認められていない。
- これまでの報告では発達障害の診断・治療効果の判定・予測されるリスクなどの検討がきわめて不十分であり、現時点では発達障害の治療として実験的治療と言わざるをえない。
- さらにこの手術には発達障害の治療としてはさまざまな倫理的問題も指摘されており、本学会の倫理検討委員会において調査中である。
2005年12月