2021.06.20　会員の除名処分について

　一般社団法人日本児童青年精神医学会は、2021年6月20日に開催された臨時代議員会において、2020年12月に児童福祉法違反の疑いで逮捕された本学会会員の医師の除名を、定款第9条に基づき、決議いたしました。
　改めまして、被害に遭われました女子中学生ならびにご家族、関係者の方々に対し、深くお詫びを申し上げます。
　事実関係については司法において扱われておりますので、本学会として精査、認定する立場にはありません。しかし、報じられている内容からみれば、治療を担当した女子中学生に対して、治療者でありながら心身を傷つけ、治療者―患者関係を裏切る卑劣な行為を行ったものであり、ここに強い非難を表明いたします。
　本学会は「全ての子どもを掛けがえのないパートナーとして、その尊厳と人権を尊重し、児童青年精神医学が保健・医療・福祉・教育・司法等の向上発展に寄与するよう、献身しなければならない」ことを学会基本理念に掲げております。そして、子どもの心を守り、支え、育むことが我々の使命です。このたびの本学会会員の行為は、本学会の理念に著しく背く行為です。
　本学会では、倫理委員会、ならびに、子どもの人権と法に関する委員会を設け、本学会ならびに会員の臨床や研究の倫理の向上、子どもの人権を守るさまざまな取り組みを行って参りました。かかる事態が生じましたことは、忸怩たる思いであり、今後、会員に向けての教育活動につきましても一層の取り組みを図って参ります。