代表理事挨拶

 本学会は1960年の設立以来半世紀以上の歴史を持ち,会員数も3700名余りを数え,児童青年期のこころの問題や精神保健を扱う領域としては最も規模の大きな学会です。会員の職種も精神科医,小児科医,臨床心理士,教員,看護師,社会福祉士,など多岐にわたり,この領域の臨床・研究においてまさしく学際的協力・活動ができる団体であると自負しております。
 現在,本学会が直面する最も重要な課題は専門医制度の確立です。2014年5月に日本専門医制評価・認定機構が解散し,一般社団法人日本専門医機構として新たに発足し本格的な専門医制度の導入に向けて動き出しました。本学会も児童青年精神医学に関連する4医学会(日本児童青年精神医学会,日本思春期青年期精神医学会,日本小児心身医学会,日本小児精神神経学会)として連携し,2014年2月に「子どものこころ専門医(仮称)制度委員会(現在は「委員会」から「機構」へと変更)」を第三者組織として設立しました。そして2020年に予定される新制度への移行と新専門医試験実施に向けて着々と準備を進めています。「子どものこころ専門医(仮称)」は19の基本領域のなかの精神科と小児科の専門医の上にいわゆる「2階建て」として設けられるsubspecialty専門医に該当します。subspecialty専門医は現時点では専門医機構から正式な承認を得られていませんが,児童青年精神医学に関わる専門医制度の確立に向けて正念場を迎えた極めて重要な時期にありますので,専門性の充実,研修・指導体制の確立に向けた本学会の姿勢を明確に打ち出す必要があると考えています。
 臨床研究を適正に行うための臨床研究倫理審査の確立と会員への周知,役員や委員会委員を中心とした利益相反の開示,なども倫理委員会を中心に検討を続けており重要な課題のひとつです。特に本学会は子どもを対象に臨床・研究を行っていますので,他の領域以上に厳しい倫理的な配慮や姿勢が求められると考えています。その他,現在本学会が取り組んでいる活動は極めて多岐に渡りますので詳細は本ホームページの理事会・委員会の項目を参照頂ければと存じます。
 本学会は児童青年のこころの問題と精神保健に専門的な立場から真摯に取り組み,子どもたちの現在と未来のために少しでも貢献できるよう日々努力しております。本学会の理念と活動にご理解を頂けますと幸いです。

一般社団法人日本児童青年精神医学会代表理事
松本英夫