会長挨拶

愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学講座 上野修一

 皆さんこんにちは。2024年10月17日から19日まで第65回日本児童青年精神医学会学術集会を愛媛県県民文化会館で開催するに当たり、総会長として一言ご挨拶申し上げます。

 まず、歴史のある本会の学術集会を、初めて愛媛で開催できることに感謝申し上げます。私どものことで恐縮ですが、愛媛大学医学部は2023年で50周年を迎えました。子どものこころの診療では、大学病院発足以来、微力ながら精神科の一部門として始まり、2003年の専門外来の立ち上げ、2015年の「子どものこころセンター」として独立など少しずつ発展してまいりました。残念ながら、大学病院での子どものこころの診療は外来中心で専用病床はなく、入院では精神科病床を大人と共用せざるを得ませんでした。幸い、愛媛県の協力により2023年に児童精神医学講座がスタートし、2024年11月には愛媛県初の児童・思春期精神科病床がオープンする予定です。今回の我が県での総会の開催は、ちょうどよいタイミングであったと感慨深く感じている次第です。

 上記のことも鑑み、今回のテーマは、「時代を繋ぐ児童青年精神医学 advancing child psychiatry and connect it to the future」としました。これは、我が県だけでなく、児童青年精神医学がこれまで以上に注目され必要となっている現在、学会が積み上げてきた歴史の上に、現在進行中の取組をさらに発展させ、将来に向かって伸長する学術集会となるように尽力したい、なってほしいとの我々の思いが含まれたものです。ぜひ、全国の会員の方々からの多くの演題のご登録と、ご発表およびご参加をお待ち申し上げております。

 今回のポスターは、子どもたちが書いたものを教室員がまとめ配置してくれました。会場近くにある、来年4月に改修終了する道後温泉本館や現存天守を持つ伊予松山城の他、しまなみ海道でのサイクリング、愛媛の海の幸、山の幸、果実が描かれています。今回もオンデマンドでの視聴は用意しておりますが、新型コロナウイルスも大分落ち着き、直接の交流は、生涯学習の機会として代えがたいものです。ぜひ、松山にご参集いただき、学術集会では、最新の知見を得ながら議論を戦わせ、懇親の場では食を交えての相互交流を楽しんでいただければ幸いです。