症例検討における倫理的配慮について

Ⅰ 症例検討における倫理的配慮について

1.発表者がするべき倫理的配慮について

  • ①症例検討の発表にあたっては、患者本人あるいは代諾者から同意を得てください。

    • *年齢や病状により本人のみでは同意能力がないとみなされる場合、患者の最大の利益を確保しつつ、代諾者から同意を得てください。また、本人のみでは同意能力がないと見なされる場合にも、患者の理解能力に応じて説明し、可能な範囲で患者本人の理解を得るように努めてください。本人の拒否の意思が確認できる場合には、発表は許容されません。
    • *同意を得ることが困難であるが学術研究上発表する意義があると考えられる場合には、その旨を学会事務局に申し出てください。プログラム委員会、倫理委員会において演題採用の可否も含めて検討いたします。
  • ②発表者は抄録を記載する際に、個人が特定されないよう以下の点について配慮をしなければなりません(同意を取得し、匿名性への配慮をしたことについては必ず抄録の中に記載してください)。

     また、発表時に使用する資料についても同様の配慮が必要です(当日の参加者を学会員に限定したり、参加者に「守秘に関する同意書」の提出を義務づけたりするなどの個人情報保護への対応がなされている場合でも同様です)。

    【患者の氏名等】

    患者個人の特定が可能な氏名、入院番号、イニシャルまたは「呼び名」は記載しないでください。

    【患者の居住地】

    患者の特定につながる居住地の記載はしないでください。固有名詞を使用する場合は、イニシャルではなくアルファベット順で記載してください(例:福岡県博多市の場合、F県H市と記載するのではなく、A県B市と記載します)。

    【日付】

    日付は、原則として初診時をX年とし、X-3年、X+2年などと記載してください。

    【患者の生活歴および家族歴】

    患者の生活歴、現病歴および家族歴に関する情報を記載する際には、患者を特定することのできないよう十分に配慮し、病態の本質と関係のない箇所を適宜変更してください。固有名詞に関しては、イニシャルではなくアルファベット順で記載してください(例:徳島高校と関東大学を卒業した場合、T高校とK大学を卒業と記載するのではなく、A高校とB大学を卒業と記載します)。

    【患者が診断・治療を受けた施設名等】

    他院で診断・治療を受けている場合,その施設名ならびに所在地は記載しないでください。

  • ③当日資料配付する場合には、その配布資料は、総会事務局と取り扱い方法を相談の上、原則的には発表者の責任で準備・回収・廃棄してください。
  • ④質疑応答の際にも、個人が特定されないように心がけてください(特定される危険性が高いものについては「個人情報に当たるため、答えられない」と断ることも含めてご検討ください)。

2.司会進行される先生へのお願い

  • ①症例検討の司会をされる先生には、総会当日の進行だけでなく、発表内容に関する事前のスーパーバイザーとしての役割をお願いいたします。発表者が総会当日に使用するプレゼンテーション資料について事前に目を通し、個人情報保護などの倫理上の問題がないかについて発表前にご助言いただくようお願いします。
  • ②総会当日のセッションの場は、学会員に対する倫理教育の貴重な機会になりますので、セッション開始時に司会者から以下のことについて、参加者に周知するようお願いいたします。

    • ・症例検討の参加資格に関すること
    • ・セッション中に知りえた患者に関する情報について守秘義務を遵守していただく必要があること
    • ・質疑応答の際に、個人情報に関する質問は控えてもらうこと
    • ・配布資料がある場合、回収するかどうかについて

3.総会事務局へのお願い

  • ①発表者と司会者が決定した時点で、上記のように発表内容に関する事前の確認ができるように双方に連絡が取れるよう手配してください。
  • ②個人情報の流出を防ぎ、発表者の知的所有権を確保するため、録音、カメラ・ビデオ撮影を禁止する旨を会場内に表示してください。